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注意は1を参照でお願いします。
速の視点でお送りします。
とても短いです。

よろしければ追記よりどうぞ。

 


 

それから数日、どれほど首をひねっても、頭の中に渦巻く疑問がまとまることはなかった。それが分かっていても、首をひねらずにはいられない。なんで、俺がコピーエレキに似てるんだろう。基本的に、調べ物とか好きじゃないので、手近にいたメタルにそのことを話してみた。するとメタルは、ぶっと吹き出す。

「コペがそう言ったの?」

うんと、うなずくと本格的にけらけら笑い出す。何で笑っているのか分からないけど、コピーエレキの言葉の真意が分かっているから笑っているんだと思う。それが知りたいのにいつまでも笑っているので、一発ぶって黙らせた。

「暴力はよくないよ!すごく痛い!」

ぶたれたところを手で押さえながら、メタルが涙目で訴えてくる。

「じゃあ、さっさとコピーエレキが何考えてるのか教えろよ!」

やれやれと頭を振りながら、メタルメタルは口を開いた。

「コペのオリジナルの機体知ってるかい?」

コピーエレキのこと調べた時に、オリジナルエレキマンのデータもちょっと見た。

「データは見たけどそれがなんなんだよ?」

「そう。じゃあ、クイックは自分のデータ見たことあるかな?」

自分のデータ。見たことない。首を横に振ると、メタルはやっぱりねと呟いた。

「やっぱりってなんなんだよ!」

ちょっとイラッとして、メタルを軽くにらむ。俺の怒った顔を見て、うふふとメタルが気持ち悪く笑った。グッと拳を握って見せると、軽く両手を挙げてごめんと言う。

「あのねクイックは、オリジナルエレキマンをモデルに作られてるんだよ。」

初耳だ。でも、おかしい。

「コピーエレキってそんなに速くないじゃん。」

コピーエレキとオリジナルのエレキマンの機体のスペックに、あまり大きな開きはなかったから、多分オリジナルのエレキマンもとてつもなく速いということはないだろうと思う。

「博士はそうおっしゃっていた。それで、コペはクイックのことをすごく気にかけているんだよ。」

バブルにも同じようなこと言われたのを思い出す。コピーエレキが俺のことを気にかける、それってつまりどういうことなんだろう。またぐるぐる思考回路が答えを求めてフル稼働する。今ヘルメットの上に生卵わったら、目玉焼きができそうなくらい頭が熱を持っている。うーと、うなっているとメタルが心配そうに声をかけてきた。

「大丈夫?ものすごい機体の温度が上昇してるけど…。」

「…なんでコピーエレキが俺のことを気にかけるのかが、分からない…。」

何を聞いても、最終的に答えてくれるメタルだから、今回も答えをくれるのだと思っていた。でもメタルは、答えの代わりに新しい問いを俺に投げかけてくる。

「コペがクイックのことどう思っているかは、コペじゃないから正確には分からないよ。それより、クイックはコペのことをどう思っているんだい?」

俺がコピーエレキをどう思っているかなんて、そんなこと聞いてどうするんだろうか。さらに思考回路がこんがらがっていくのが分かる。頭が、熱い。

「もうちょっと具体的に言えば、何でそんなにコペの考えることを知りたいんだい?って、ことだけど今は考えない方がいいよ。」

手のひらでぱたぱたと風を送りながらメタルが言う。そんなこと言われなくても、もう何も考えられない。ちょっと、頭を空っぽにしたい。

「…俺走ってくる。」

ほどほどにね、と言うメタルの言葉を最後まで聞かずに、俺は駆けだしていた。

 

 

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