ちょっとブレイクさせてください…。
軽くちゅーがあります。
よろしければ追記よりどうぞ。
「じゃあ、海に行かないか?」
久しぶりにフラッシュの部屋に行くと、夏の休暇にどこか行かないかと聞かれたからそう答えた。部屋に備え付けてある冷蔵庫から冷たいが入った水差しを出しながら、フラッシュは少し難しい顔をした。
「海か…。」
綺麗なグラスを俺に手渡し、自分も一つ持ちながら俺の隣に腰をおろした。ふむ、と考えこみながら俺のグラスに水を注いだ。何をそんなに悩むことがあるのだろうか、眉間に力がこもっているフラッシュを見つめる。
「お前、耐塩ボディか?」
「タイヘンボディ?」
困ったように笑いながら、フラッシュが自分のグラスにも水を注ぎ始める。握りっぱなしだとぬるくなるから、グラスに口をつけた。よく冷えた水を飲み下すと、フラッシュが俺のことを見つめながら口を開く。
「塩っ気に耐えられる体かって、聞いてんだよ。」
塩っ気。ちょっと昔の記憶をひっくり返してみるけど、そんなこと言われたことない気がする。だいぶ昔の記憶を掘り返していくと、メタルに言われたことを思い出した。
「なんか、水にはある程度の深さまで入っていいけど、海には入っちゃだめって言われたことある気がする。」
たくさんのことを思い出したせいで熱くなった頭を、冷たい水をもう一口飲んだ。隣でフラッシュもグラスを傾けている。ごくりと上下する喉元に、思わず見入ってしまった。ぽーっとフラッシュを見ていると、不意にフラッシュがこっちをむいたから、あわてて視線を逸らした。何事かと首をかしげながらも、フラッシュはまた聞いてきた。
「海に行きたいって、海に入りたいってことだろう?」
俺はこくりとうなずいた。そうか、と小さく呟いて、ちょっと申し訳なさそうに切り出してくる。
「クイックのこと耐塩にする費用出したら、砂浜にテントで過ごす休暇になるくらいの甲斐性しかないんだがいいか?」
「いいよ!俺、自分でそれくらいの金払えるから!」
いやでも、と食い下がろうとするフラッシュの口を、人差し指で閉じさせた。
「俺のわがまま聞いてくれんだから、それくらいのことは俺がやるよ。」
まだ不満なのか、俺の人差し指の下でもごと動こうとする唇に、軽く俺の唇を重ねた。
「メタルにお小遣い前借りするから、大丈夫だ。でも、俺テントで寝てみたいな!」
気にすることなんて何もないのに、フラッシュはわりぃと小さくうなった。元気出せよと、抱きしめたやると、そのまま朝まではなしてもらえなかった。