ちょっとエロいお話しを書いてみたくなりました。
でもちゅー止まりです。
確実に続くと思われます。
無駄に長いです。
CP色が強いです。
よろしければ追記よりどうぞ。
いきなり扉が開いて、目の前に満面の笑顔のクイックが現れた。
「一緒に寝ようぜ!」
消灯しようと扉の前にいた俺はぽかんと固まってしまった。一緒に寝る?付き合い始めて半年ほどたったが、手を繋ぐことも最近やっとできるようになったのに、いったいどうしたのだろうか。そんなことをうだうだ考えている間に、クイックはすたすたとベッドに歩いていってしまう。自分の枕を抱きながらベッドに座り、無邪気ににこりと微笑んできた。一緒に寝るって、添い寝的な意味なのかも知れない。
「かまわんが、その、どういう…。」
クイックとしたい。それは揺るぎない俺の願望だ。でもクイックはそういうことに興味なさそうなので、切り出せずにここまで来ていた。悶々としている頭には、今の事態がまだうまく飲み込めないでいる。添い寝だけならはっきりクイックの口からそう言ってくれないと、そら恐ろしい暴挙に出そうで自分が恐い。
「どういうって、そういう…?」
枕に顔を半分うずめながら、そう返してきた。見えている目元が、ヘルメットと同じくらい真っ赤になっている。緑の目が、俺をじっと見つめていた。部屋を横切って、クイックの隣に腰を下ろす。クイックはまだ前を見たままで、俺の方に顔を向けようとしなかった。何事かうめきながら、完全に枕に顔を押しつけてしまう。
「そういうって、そのキスしたりとか、その先も含めてか…?」
頭から湯気が出るのではないかと思うほど、クイックの排気が熱い。もにょと、なにかクイックが呟いた。
「なんだ?」
「そうだって言ってんだろ!」
ばか!と叫びながら抱いていた枕を俺に投げてくる。顔でそれを受け止めてしまい、多少頭がくらっとした。枕を顔から引っぺがすと、肩を震わせながらクイックが怒っていた。ただ、感情の昂ぶりのせいで目が潤んでいてそんなに恐くないというか、とっても可愛い。
「悪かったよ、だから泣くな。な?」
そっと腕を伸ばして、クイックの手を取った。
「ないてねぇ。」
クイックが静かに頭を俺の胸にあずけてきた。クイックの指に自分の指を絡めながら、空いてる手でクイックの顎を捕まえる。くっと上向けると、もろにクイックと目があった。綺麗な緑のアイカメラが、すっと俺に焦点を合わせる。しばらくその緑の目をのぞき込んでいると、すっとまぶたが閉じた。ゴミ避けにしては長いまつげの先が、わずかに震えている気がする。ふっくらとした唇に、俺の申し訳程度の切れ込みみたいな唇で触れるのはためらわれたが、意を決してそっとキスをした。触れる程度の軽いキス、それから舌を出してクイックの唇をなめてみた。ぴくりとつないだ手が震えて、おずおずと唇が開いた。そろりとクイックの口の中に入ると、ものすごい量の疑似唾液がたまっている。人間同士がキスしていて、緊張から息をし忘れることがあると聞いたことがある。クイックも相当緊張してるらしい。ふと、感情回路の奥で凶暴な思考がひらめいた。顎をとらえていた手を首から頭へ滑らせ、クイックが逃げられないようにする。そこで、はっと我に返った。
「っ!?」
「ど、どうしたんだ?」
思わずクイックから距離を取ってしまった。なんだか得体の知れないものが胸の内で暴れている気がする。なんとかそれを落ち着けて、笑顔を作った。
「なんでもない。それよりお前…」
クイックの唇の端から顎を伝っているよだれを指ですくい取る。それを目の前でなめ取ると、クイックの顔がぼっと音をたてて上気した。
「そそそんな、ハズいことすんじゃねぇ!!」
「これが恥ずかしいんだったら、これ以上のことできるのか?」
できる、という趣旨らしいことを叫んでいるが、どう見てもいっぱいいっぱいだ。ぽんぽんと頭をなでてやると、多少落ち着いたのか静かになった。
「続きは今度でいい。もう寝ようぜ。」
なるべく、クイックに気を遣わせないように明るく言った。まだ赤い顔のままでクイックが小さく一つ頷いた。申し訳なさそうに伏せられている顔に、また黒い感情が湧いたが無理矢理胸の最奥に押し込めた。