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つきあい始めくらいな二人。
ちゅーとかは無いです。
よろしければ追記よりどうぞ。


 

あまり雨が降らない六月の空を見上げながら、カメラに収めるものを探した。基地周りをゆっくり歩きながら、二三枚写真を撮る。とくに珍しいものもないな、とうろうろきょろきょろしていたら、綺麗なアジサイをみつけた。去年こんな所にアジサイなんて咲いていただろうか。赤い花をつけている株と、青い花がついている株をぐるっと観察した。アジサイの花の色は土壌のPHによって変わるらしいが、赤と青の花をつける株が立っているこの土はどうなってるんだ。門外漢なので詳しくは分からない。後でウッドにでも聞いてみようかと、個人的に珍しいその二株のアジサイをフィルムに収めた。

「これ、なんか…。」

赤い花と青い花をレンズ越しに見てふと、まるでクイックと俺みたいだと思った。思ってから、誰もいないのに恥ずかしくなってくる。こんな、花を見ただけでクイック思い出すだけでもだいぶキてるのに、その横に自分を配置してしまったことに何とも言えないむずがゆさをを感じた。こんなふとしたことでも、幸せを感じられることが、今までに無い感覚でとまどう。しばらくその場でもだえていたが、それをごまかすように新しい被写体を探すために歩き始めた。今度クイックと一緒に見に来ようと考えながら。

 

「なぁ!知ってるか?」

今日撮ってきたものの整理をしていると、クイックが俺の部屋に飛び込んできた。早く話したくてうずうずしているクイックに、なんだと水を向けてやった。すると早口にクイックはしゃべり出した。

「今日基地の周りを走り込みしてたらさ、アジサイ見つけたんだよ!それが赤と青でさ、なんだか俺とお前みたいじゃね?」

口になにか入っていたら吹いたかも知れない。俺と同じこと思っていたとは、愚然にしろなんだか嬉しい。まただ、こんな些細なことに感情が揺れている。

「すごい綺麗だったんだ、だから明日見に行こうぜ!」

クイックが俺と同じこと考えてるだけでも嬉しい。にこっと微笑むクイックに、あぁと返事をしてそう思った。

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