ジェミニとホログラムが話しています。
蛇→双←映な感じです。蛇は姿を見せません。
CPものといっていいのでしょうか?なできです。
よろしければ追記よりどうぞ。
マグネットがサーチスネークを爆死させて本人も失明しかけて以来、サーチスネークの整備は私の仕事になっている。今日も自室で、スネークから預かったサーチスネークの整備をしていた。
『気持ち悪い、気持ち悪い!』
私が整備しているサーチスネークを睨み付け、さっきからずっとそう言い続けるホログラム。いい加減うるさくなってきた。爆薬をつんでいるサーチスネークの整備は、結構気を遣うのだ。無理矢理引っ込めることもできるけど、彼に人格をプログラムしたのは私なので、一応彼にも相談しないといけない。
「ハウス!!」
『オレは犬じゃない!』
きゃんっとホログラムが吠えて、今度は私を睨んでくる。がるがる唸るホログラムを見つめて、ちょっと目を細めた。ジジッと映像が乱れて、ホログラムがたじろぐ。しばらくそうしていると、ぽそりとホログラムが呟いた。
『静かにしてます…。』
「賢明です。」
そう冷たく突き放すと、目に見えてしゅんと落ち込んでしまった。可哀想だとは思ったけれど、彼をきちんとコントロール下に置くこと。それが彼に人格を与えるにあたっての絶対条件としてメタル先輩から私に与えられた。あの人に逆らって、ホログラムの人格を消されてしまうのは嫌だ。だからぐっと我慢する。静かに私の作業を見ているホログラムが、おずおずと声をかけてきた。
『つかれない?』
首をかしげながら、私を見上げるように尋てくる姿に、微笑みながら答える。
「大丈夫ですよ。」
私が笑うのがとても嬉しいらしく、暗かった表情が一気に明るくなった。しまりのない顔でにこにこしている。私と同じ顔だけれど、私が絶対しない表情をしている。全てのサーチスネークから信管を抜いたので、ホログラムに話しかけてみた。
「なんで貴方は蛇が嫌いなのですか?」
サーチスネークを一匹手に取り、口を開けながら聞いてみた。ホログラムが一瞬乱れて、嫌そうな顔で私の持っているサーチスネークを見ながら答える。
『ぬるぬしてるし、にょろにょろしてるから。それに…』
言葉がとぎれて、映像の乱れがいっそうひどくなる。ちらっと目だけでホログラムを見ると、天井を仰ぎ見ていた。なんだろうと、私も顔を天井に向ける。ホログラムは私よりも視野や可聴域が広い。私にはなにも聞こえないけれど、彼にはなにか聞こえているのかも知れない。
『それに、蛇見てるとスネーク思い出すからいやなんだ!』
いきなり大きな声を出すので、びっくりした。天井からホログラムに顔を向けると、さっきサーチスネークに向けていたような、というよりその数倍すごい顔で天井を睨んでいた。頭上で、ちっ、という舌打ちが聞こえた気がした。