CPものです。ちゅーとかはないですが接触が多めです。
苦手な方はご注意を。よろしければ追記よりどうぞ。
フラッシュの部屋にノックなしで入る。いきなり部屋に入ると、驚いたり怒ったりするのが楽しくて、マナー違反なのが分かっていてもやめられない。今日はどんな反応が返ってくるかなと、ドアの陰から部屋の中をのぞき込む。いつもならパソコンが置いてある机の前に座っているのに、そこにはいなかった。備え付けのベッドの掛布が盛り上がっている。昨日徹夜でもして疲れているのかも知れない。起こすのはさすがに気が引けるので、寝顔を見たら退散しようと思いベッドに近づいた。頭からかぶっている布をめくろうと手を伸ばす。布の端をつまんで、そっと持ち上げた瞬間、ベッドに引き込まれていた。
「おはようございます。」
俺の顔のものすごい近くに、フラッシュの顔があった。寝起きのわりにしっかりした口調であいさつされ、俺はしぱしぱと瞬きしてしまう。予想外のフラッシュの反応に、逆に俺が驚かされたしまった。そんな俺の様子を面白そうにフラッシュが見つめていた。不敵なにやり笑いではなく、やわらかい笑みで見られていると、至近距離なせいもあって一気に機体の温度が上がる。もそもそと背中にフラッシュの腕が伸びてきて、俺のことを掛布の中にすっぽりおさめてしまう。閉じられた空間にいると、フラッシュとの距離がさらに意識された。
「どうした?熱があるぞ?」
少し、意地悪そうな笑顔になり聞いてきた。分かってるくせに、恥ずかしくなってフラッシュの胸に顔を押しつける。
「なんでもねぇよ!」
顔の下のフラッシュの胸が、小刻みにふるえた。小さく笑い声が聞こえてくる。
「笑うな!」
フラッシュの腰に腕をまわしてぎゅっと力をこめた。はいはいと言いながら、背中にまわされていたフラッシュの腕がぐっと俺のことを引き寄せてきた。顔だけじゃなくて、体がぴったりとくっつく。きゅうっと、どこかの機関が変な音を立てる。その音は、俺の聴覚センサーの下、フラッシュの中から聞こえてきた。少しだけ顔をあげて、目でフラッシュを見上げると、きりっとしたかっこいいフラッシュと目が合う。そろそろと目を閉じると、フラッシュの手が俺のあごをとらえて上向かせた。軽く、フラッシュの親指が俺の唇をなでる。思わず身震いしてしまった。そして、フラッシュの唇が触れそうなほど近づいてくる。その時、扉をノックする音が聞こえた。
「野暮なことして悪いけど、ドアぐらい閉めなさい。」
メタルのちょっと怒った声も聞こえたけど、二人して聞こえないふりを決め込んだ。ため息と扉の閉まる音を残して、メタルが消えてから二人して笑いあった。それから二人で、ゆっくり布団の中ですごした。