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ほのぼのです。エアーが好きで、気づいたら出していました。
CP要素はありません。よろしければ追記よりどうぞ。



 

エアーにエプロンを贈ろうと思った。

 

ある日、風の強い夜が明けて庭の木の様子を見に行ったときにそう思った。庭の掃除は僕が生まれる前からエアーがしていて、その日もエアーが散らかった庭の掃除をしていた。ほうきを動かしながら、真剣な顔で足下の落ち葉をかき集めていく。その顔がなんだか、訓練とか戦闘中とかの真剣さで、なにがエアーにそんな顔をさせているのだろうと悩んだ。

 

「エアーはね、落ち葉恐怖症なんだよ。」

談話室にいたメタルに聞いてみると、そんな答えが返ってきた。どうも、エアーはプロペラに落ち葉が詰まるのが嫌らしい。聞くことを聞いた後も、メタルはぺらぺらとしゃべり続けた。弟機のことが好きすぎるメタルの話しは、しらない兄機の一面を知ることができるので嫌いではない。ただ、八割はメタルの主観というか、妄想というか、感想なので、話し半分で聞いている。その時も、本当かどうかやや怪しいエアーの昔話に相づちを打つことができずに困って笑っていた。すると、談話室にエアーが入ってくる。そのことに気づかないメタルは、まだ昔の話しを語り続けている。

「それでねぇ、エアーが最初に庭掃除をしたときたくさん落ち葉がプロペラにつまっぷぁ!?」

「余計なこと言うんじゃない!!」

早足で近づいてきた勢いそのままに、エアーがメタルの頭をぶった。カーンと、すごい音がする。腕力に訴えることの少ないエアーにしては、珍しいと思う。この慌てぶりだと、メタルの話しが、今回は、本当だということなのかも知れない。

「あ、そういえば折れた枝で口の中つっついてえずいてたよね。」

「まだ言うか!」

「違う!今のは私じゃない!」

もう一度振りかぶったエアーの腕の下から、ひょいとバブルが出てきて笑った。メタルがバブルを指して叫んだ。一回バブルを見て、軽くため息をついて腕をおろす。この三人は、とっても仲がいい。なんだかこの光景を見ていると、安心してくる。自然と顔がほころんできてしまった。

「ほら、ウッドも呆れてるよ。」

エアーの視線が僕に向く。ちょっとだけ低い位置にあるエアーの目が、『そうなのか』

と聞いてくる。今度は僕が慌ててしまう。首を強く横にふった。

「ちがうよ!ちょっと三人が楽しそうで、僕も楽しくなっちゃっただけ。」

エアーの張り手から復活して、にこにこと僕らを見ていたメタルが突然大きな声で叫んだ。壁に掛かっている時計を見上げて、談話室の扉にかけていった。体を半分扉から廊下に出して、何かを思い出したように振り返った。

「私は博士を起こしてくる、誰かコーヒーをいれて持ってきてくれ!」

「…分かった。」

誰かと言われたのに、エアーが返事をした。それを見越していたのか、メタルが目元だけで満面の笑みを表す。そうして扉の向こうに姿を消した。エアーは自分の行動が読まれたのが不満なのか、また小さくため息をつく。それを聞いて、バブルがくすくすと笑った。

 

この日、エアーって結構苦労性、というか貧乏くじ引きやすいんだなと思った。きっと僕が生まれてくる前からこんな性格で、この日以外も見えないところで貧乏くじを引いているのかも知れない。

 

だから、僕はエアーにエプロンを贈ろうと思った。

 


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