ジョー二人と、ちょっとクイックがでてきます。
よろしければ追記よりどうぞ。
クイックマンさまのボス部屋で、黙々とのりづけの作業をする。
「のりなくなった。」
「はい。」
床に赤や青の封筒を並べ、一つ一つに宛名を書いていたフラッシュマンさまのところのジョーが新しいのりをわたしてくれた。印刷した招待状を、ジョーが宛名を書いた封筒にいれて封をする。黙々と二人で作業していると、クイックマンさまが駆け込んで来た。軽く風がふいて、封筒がふわりと浮いた。
「あ、クイックマン様。もう少し待ってください。」「急がないから、丁寧にやれよ。」
すいませんとぺこっと頭をさげるジョーを、いきなり目の前に立ったクイックさまがいいこいいこする。
「終わった、君は。」
ペンの先を丁寧ぬぐって、インク壺のふたをきつく閉めながらフラッシュマンさまのところのジョーが聞いてきた。今渡された封筒に、手紙を三折りして入れて、のりできちんと封をする。
「終わった」
一緒に封筒を送り先別に分けてまとめた。
「これ、一人一人にわたしてまわるのか?」
「ううん。スケルトンジョーとかクリスタルジョーとかにお願いしたから、ボスの方々にわたしてくれるはず。」
かたわらに持ってきていた大きな紙袋から、大きな茶封筒を八枚取り出して宛名を書いていく。
「よしっ。ここに入れて。まず3ボスの方たちのから。」
茶封筒の口を大きく開いてわたしにさしだした。その封筒の中に、赤と青の封筒を入れていく。そんなわたし達を見ていたクイックマンさまが、ぽそりと呟いた。
「お前ら夫婦みたいだな。」
「そんなことありません!」
夫婦みたいって言われてうれしかったのに、フラッシュマンさまのところのジョーは嫌そうだ。
「わたしのこと嫌いか?」
フラッシュマンさまのところのジョーがうっと言葉につまった。キュウッとアイカメラの絞りがきつくなる。ふいっとうつむいて、もにょっと呟いた。
「好きだけどさ…」
うれしくてとびついてしまった。茶封筒がぐしゃぐしゃにならないように守ったせいで、フラッシュマンさまのところのジョーが床に転がる。それも気にせずぎゅうぎゅう抱きしめていると、クイックマンさまが笑いだした。
「笑わないでくださいよ~。」
わたしの腕の中で困ったようにジョーが言う。それが可愛くて、また強く抱きしめてしまった。